ナースの夫 ~料理×育児×たまに仕事~

妻がナースで夜勤や残業もたくさんあるので、料理をたまーにしたり、二人の娘と遊んだりします。あとたまに仕事のことも書いてみようと思います。

コロナで変わる葬儀・葬式の形。グリーフケア(悲嘆のケア)という考え方

新型コロナウイルスが猛威を振るっています。

 

今回は、President Online4月8日付「志村けんさん「コロナ死」した後の残念すぎるプロセス」について触れ、今後、新型コロナの影響で、葬儀の形がますます変化していく一方で、人の死における葬儀の役割を考えた時に、「グリーフケア(悲しみや嘆き(「悲嘆」)のケア)」という考え方が非常に重要になるということを述べたいと思います。

president.jp

 

 

同記事のポイントは、志村けんさんを初め、新型コロナウイルス感染が原因で亡くなった方は、①面会や看取りができない。②葬儀ができない。③すぐ火葬されてしまう。というもので、これに対して志村さんのお兄様の言葉を引用し、「骨も拾うことができないし、顔も見られない」「本当は盛大に送ってあげたかったのに、こんなことになって悔しい」とし、

葬儀は遺族の後悔や悲しみを癒やす唯一の手段だ。コロナ禍が終息したときには、ぜひ盛大なお別れの会を開いてほしい」

と述べています。

 

1.変わる葬儀の形

1)見直しが進む葬儀

葬儀の形それ自体については、世の中の価値観の変化や多様化、また、高齢化の更なる伸展等により、コロナ前から変化は生じていたと思います。

 

家族葬(少人数、小規模での実施)

直葬(お通夜や告別式をせず、すぐに火葬)

・散骨、樹木葬宇宙葬(!)

 

など、低価格化、費用の透明化、実施形式の多様化の流れ等の観点からどんどん従来にはない形の葬儀が生まれてきていました。

 

加えて、現在のコロナウイルス感染拡大傾向にある今、大勢の人が集まる場としての葬儀は、感染リスクの観点から、より一層の参列者減、また、通夜振る舞い等の会食も減る傾向にあると聞きます。

 

そのため、従来からの葬儀のあり方見直しの動きに加え、今回のコロナ対応を受け、例えば、表面上の付き合いで会社の関係者を呼ぶだとか、参列者に対し食事をふるまうだとか、葬儀の形式的な面については、都度その必要性や重要性等の観点から見直しが進んでいくのではないかと思います。

 

2)変わらない葬儀の役割

一方で、「葬儀の役割」というものを考えた場合、変化するものがある一方、変わらない、またはより重要になるものもあるのではないかと思います。

 

志村けんさん「コロナ死」した後の残念すぎるプロセス」において筆者は、「葬儀は遺族の後悔や悲しみを癒やす唯一の手段だ。」と述べています。

 

「葬儀の役割」はいくつかあるとされていますが、「お世話になった方々への周知、お礼」といった側面に加え、故人の死から始まる一連の儀式(通夜、葬儀、告別式、法事等)を行うことにより、ご遺族や、残された人々が徐々にその事実を受け入れ、悲しみや心の痛み等を自分なりに消化し、前に進んでいくための区切り、きっかけとしての側面があるものと思います。

 

しかしながら、今回コロナの影響で、通常、人が亡くなってから辿る一連のプロセスがすっぽり抜け落ちてしまい、これにより遺族の後悔や悲しみを癒す機会が見出しにくい状態と言えるのではないでしょうか。

 

2.グリーフケアという考え方

ここで、「グリーフケア」という考え方が重要になってきます。

日本ではまだまだなじみがないこの言葉、どのようなものでしょうか。

日本グリーフケア協会のHPの内容を中心にまとめていきたいと思います。

www.grief-care.org

 

1)グリーフケアとは

・死別を経験することによる、亡くなった人を思い慕う気持ち「喪失」

・なんとか現実に対応しようとする思い「立ち直りの想い」

 

この両者の間で揺れ動き、不安定になる状態と、同時に身体上の不愉快な反応・違和感のことを「グリーフ」といい、このような状態にある人に、寄り添い、援助することを「グリーフケア」という。

 

実際に身近な人との死別を経験すると、感情にふたをし、十分に悲しむことができなかったり、一方、予想を超えるような感情の揺さぶりに苦しんだりと、人によって異なる反応が見られるそうですが、この期間に、グリーフケア等により適切なサポートをすることで、回復や、進むべき道の確認につながるそうです。

 

2)グリーフの反応

心(精神)的な反応: 孤独、寂しさ、やるせなさ、罪悪感、自責感、無力感など

身体的な反応: 睡眠障害、食欲障害、体力の低下、疲労感、頭痛など

日常生活や行動の変化: ぼんやりする、涙があふれてくる、「うつ」によりひきこもるなど

 

3)どんなことをするの?

 ・カウンセリング(GCC)

 ・ワークショップ

 ・診療(治療・投薬)

 

欧米等の諸外国では、カウンセリング(GCC)がごく普通に行われているところもあるようですが、日本ではまだまだ一般化していないですよね。欧米では、日本よりも早い段階で、個人の権利意識や尊厳を重視する流れを迎え、どのように死を迎えたいかについても個人の意思が尊重される方向に進み、その一環として、グリーフケアの考えが進んでいったようです。

 

一方、日本人の傾向として、大切な人と死別したとしても、表立っては感情を出さず、我慢する、という場合も多いのではないでしょうか。日本人の美徳と言っていい部分であるとも思います。ただ、時間がたてば解決。とは言っても人それぞれですし、本心では、悲しみを外に出したい、話したい。という人も多いのではないでしょうか。

 

4)グリーフケアの主な担い手

 ・医師・看護師等の医療関係者

 ・葬儀関係者

 ・僧侶・牧師等の宗教関係者

 ・社会福祉士臨床心理士

 ・死別者

 

このうち、日本の特徴として、死別期前後、心理士や宗教家が関わるケースが欧米等に比べ少ないようです。そのため、病院等で死別に立ち会う看護師がグリーフケアにおける重要な担い手の一つであるようです(余談ですが我が家の妻(看護師)もグリーフケアアドバイザーの資格を取りました)。

 

(参考)グリーフケアアドバイザーの資格

日本人の死別悲嘆の反応と悲しみを癒すアプローチ法について学び・身につけることを重点的に学習します。座学により正常または非正常な悲嘆の知識を身につけ、グループワークなどを通してケアについての実践法を学び、悲しみのケアの担い手である「グリーフケアアドバイザー」を目指します。(協会HPより)

 

 2級(初級)認定講座 1日間

 1級(中級)認定講座 2日間

 特級(上級)認定講座 3日間 があるようです(日数は、講習受講日数)。

 

5)図書

 

グリーフケア協会の本には、

グリーフケアの本質は、これまでの故人との人生の足跡をたどりながら、新しい人生の一歩を踏み出すこと ~ 看護にとって究極のグリーフケアは、よい看取りから始まる一連のシステムの確立にあると言えます。

 

とあります。

 

冒頭述べたように、コロナで葬儀のあり方は変化が加速すると思います。しかしながら、遺された人たちで故人を偲んだり、また、徐々に現実を受け入れ、立ち直るための仕組みは変わらず必要です。特に、今回志村さんのケースで明らかになったように、突然の別れ、かつ、看取りも許されない、葬儀も行えない、すぐに火葬せざるを得ない、といった環境下、遺されたご遺族、人々のショックは計り知れません。このような時にこそ、グリーフケアの考え方が極めて重要であると思います。

 

日本でもコロナが猛威を振るい、人々の生活を大きく変えています。心身ともに不安定になりやすい環境であると思いますし、今後の見通しも立てづらい中ではありますが、早く問題が収束してほしいと思いますし、問題終息後、人々の不安や悲しみが癒える日が早く来ればいいなと思います。

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